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平出 哲也
Radiation Physics and Chemistry, 76(2), p.84 - 89, 2007/02
被引用回数:3 パーセンタイル:25.51(Chemistry, Physical)放射線化学とポジトロニウム化学には多くの接点が存在する。モーゲンセンによって提唱されたポジトロニウム形成のスパー反応モデルは多くの放射線化学の知識を必要とする。一方、このスパー反応モデルは新しいアイデアを放射線化学者に示すことができた。ポジトロニウム形成は非常に速い反応であり、Dupratreらによって示されたように、放射線化学分野のパルスラジオリシスの結果とポジトロニウム形成には非常に良い相関が見られる。低温域で見られるポジトロニウム形成の増加は低温域で形成される捕捉電子と陽電子の反応によりうまく説明されたが、放射線化学においては捕捉電子の研究とは多くされてきており、これらの研究なくして、このポジトロニウム形成機構の解明はなかったと考えられる。そして、逆に、陽電子利用により捕捉電子などの新しい研究が可能となっていくと考えられる。
平出 哲也
Acta Physica Polonica A, 107(4), p.615 - 622, 2005/00
長寿命の弱く束縛された電子(捕捉電子や負イオン)と陽電子との反応によるポジトロニウム形成は、低温域で見られる高分子や分子固体中でのポジトロニウム形成の増加する現象を説明することに成功した。このポジトロニウム形成は従来から提唱されてきたOre過程やスパー過程によるポジトロニウム形成と全く異なる過程である。このポジトロニウム形成機構から予言される、可視光による効果,弱く束縛された電子の密度効果,遅延ポジトロニウム形成などの現象を実験で見いだすことに成功し、このポジトロニウム形成を実証するものとなった。また、この新しいポジトロニウム形成過程を利用する手法が幾つかある。例えば、陽電子のスピン偏極率の評価法への応用や、あるいは増加したポジトロニウム形成の昇温による抑制から局所的な分子運動の研究への応用などが可能であることが示された。
Stepanov, S. V.*; Byakov, V. M.*; He, C.*; 平出 哲也; Mikhin, K. V.*
Acta Physica Polonica A, 107(4), p.642 - 650, 2005/00
ポジトロニウム形成に及ぼす捕捉電子,溶媒和電子の役割を議論する。熱化した陽電子とこれら電子との結合はエネルギー的に可能であり、ポジトロニウム形成の一部を担っている。準自由状態の電子と陽電子の反応とは異なり、このポジトロニウム形成はピコ秒の時間領域に限られず、ナノ秒の時間領域にまで及んでいる。このような場合、従来から用いられている陽電子消滅寿命スペクトルの指数減衰成分への分解による解析には疑問が生じる。データの厳格な取扱には単なる指数減衰による分解でなく、適当な物理的な情報が必要となる。そのような方法をここで提唱する。また、その手法によりポリエチレン,EMMA,PMMA中の暗黒中,可視光下におけるポジトロニウム形成の測定時間,温度依存性について解釈する。捕捉電子の蓄積,捕捉電子とイオンとの再結合,捕捉電子と陽電子によるポジトロニウム形成に関するパラメータを求めた。
井戸村 泰宏
NIFS-PROC-58, p.46 - 50, 2004/07
数値トカマク計画では、トカマクプラズマにおける微視的不安定性、及びそれにより引き起こされるプラズマ乱流輸送の第一原理シミュレーションに基づく定量的評価を目指し、これまでジャイロ運動論的トロイダル粒子コードGT3Dの開発を進めてきた。講演では、GT3Dに実装されている物理モデル及び数値手法を紹介し、GT3Dから得られた最新の結果を示す。
平出 哲也
Materials Science Forum, 445-446, p.234 - 238, 2004/02
浅く捕まった電子と陽電子によるポジトロニウム形成は低温域での高分子中や分子固体中の現象を矛盾なく説明し、予測された現象,可視光の効果,ポジトロニウム形成の電子濃度依存性,遅れて起こる形成、などを実験により検証した。この新しいポジトロニウム形成は浅く捕まった長寿命の電子と陽電子の反応によるため、強磁場中,極低温では浅く捕まった電子がスピン偏極する。ここにスピン偏極した陽電子を入射し、ポジトロニウム形成を起こすと、形成されたポジトロニウムのスピン状態の分布に反映され、実験で確認できる。この現象を用いることにより、陽電子のスピン偏極率の測定も可能であると考えられる。これら内容について招待講演する。
平出 哲也; 熊田 高之
Materials Science Forum, 445-446, p.301 - 303, 2004/02
高分子や分子性固体に入射した陽電子は陽電子トラックの末端に形成されるスパー近傍で熱化し、近くに存在する過剰電子などの活性種と反応し、ポジトロニウムを形成する。この形成では電子のスピンは完全にランダムである。一方、放射線等で起こるイオン化に伴って放出される電子は十分低温では浅く束縛され、暗黒中で長時間安定に存在する。自由陽電子は浅く束縛されている電子を引き抜いてポジトロニウムを形成できるが、この電子の場合、強磁場中,極低温に置くとスピンの方向は揃いはじめ、偏極させることができる。そこに偏極陽電子を入射し、形成されるポジトロニウムのスピン状態に効果が現れることを実験で確認した。
平出 哲也
Radiation Physics and Chemistry, 68(3-4), p.375 - 379, 2003/10
被引用回数:17 パーセンタイル:72.74(Chemistry, Physical)分子性固体や高分子中では低温で陽電子消滅寿命測定を行うと捕捉電子や負イオンによってポジトロニウムの形成が増加する。この手法を用いることで捕捉電子や負イオンの挙動を研究することが可能である。この方法の利点はあらゆる捕捉電子負イオンに適用できることである。被照射ポリメチルメタアクリレート(PMMA)中で240K付近で見られる発光はCHラジカルが捕捉した電子が熱運動で開放され、再結合に伴って発行するものであることを明らかにした。
鈴木 直毅*; 平出 哲也; 斎藤 文修*; 兵頭 俊夫*
Radiation Physics and Chemistry, 68(3-4), p.647 - 649, 2003/10
被引用回数:23 パーセンタイル:80.7(Chemistry, Physical)1980年台からいろいろな物質中で低温で陽電子消滅寿命測定を行うとポジトロニウム形成が増加する現象が見られてきた。1998年、平出らはこれを低温で陽電子の照射効果によって形成される捕捉電子と自由陽電子との反応であると説明し、予測されるいろいろな現象を実験で確かめ、従来の間違った解釈を改めた。われわれはさらに、今回、予測されていた、遅れて起こるポジトロニウム形成を、陽電子寿命-運動量相関測定(AMOC)により確認することに成功したので、その結果について報告する。
平出 哲也
放射線化学, (75), p.46 - 51, 2003/03
1980年代から低温でいろいろな物質中でポジトロニウム形成の増加現象が見られてきたが、その後、長い間、誤った解釈がされてきた。1998年、新しい機構でこの現象を説明し、予言される現象を実験により確かめてきた。このポジトロニウム形成機構を現在まで行ってきた実験結果をもとに説明し、また、この機構をもとにポジトロニウム形成の放射線化学的実験手法としての可能性についても述べ、解説する。
Shantarovich, V. S.*; 平出 哲也; Kevdina, I. B.*; Gustov, V. W.*; Oleinik, E. F.*
Acta Physica Polonica A, 99(3-4), p.497 - 501, 2001/03
低温におけるポジトロニウム形成の増加現象は低温で陽電子寿命測定中に入射陽電子によって形成,蓄積された捕捉電子と陽電子が反応して形成されるが、その捕捉電子濃度とボジトロニウム形成収率の変化を反応過程をモデル化しシミュレーションを試みた。その結果、高分子中ではボジトロニウムが捕捉される自由体積に由来する空間は常に充分にあり、ポジトロニウム形勢後直ちに捕捉されていることがわかった。
平出 哲也; Maurer, F. H. J.*; Eldrup, M.*
Radiation Physics and Chemistry, 58(5-6), p.465 - 471, 2000/06
被引用回数:130 パーセンタイル:99.13(Chemistry, Physical)陽電子が物質中に入射され、それ以前の陽電子によって形成された捕捉電子と反応することによって起こるポジトロニウム形成反応により低温域でポジトロニウム形成の増加が起こるとする、われわれが提唱したモデルを既に可視光の起こす効果によって確かめてきたが、さらに外部からの線照射による捕捉電子の生成、ESRによるその濃度の同定により、くわしく議論する。また、このモデルが高分子以外の物質にも適用できることも示す。
平出 哲也
JAERI-Conf 2000-001, p.306 - 309, 2000/03
10年以上の間、低温で高分子中で観られたポジトロニウム形成のゆっくりとした増加は、高分子の物理的な緩和であると解釈されてきた。これに対しわれわれは陽電子と捕捉電子の反応によるポジトロニウム形成という新しいモデルを提唱し、予言される可視光による効果も実験で得ることに成功し、その正当性を証明した。さらに捕捉電子密度をESRで求め、その密度とポジトロニウムの形成の増加が比例していることなど明らかにした。また、密度高く形成されるアルキルラジカルなどが陽電子挙動に影響しないこともわかった。以上のことを総括し、今後の課題などについて議論する。
伊藤 寛*; 平出 哲也; 濱田 栄作*; 鈴木 健訓*; 伊藤 泰男*
Acta Physica Polonica A, 95(4), p.533 - 538, 1999/04
PMMAによって平出等により見出されたポジトロニウム形成に及ぼす可視光の効果をポリエチレンにおいて同様に見いだされた。これにより平出等が用いたモデル、つまり陽電子と捕捉電子によりボジトロニウムが形成することにより予測される現象をポレエチレン中でも見いだすことができ、モデルの正当性が確かめられた。
井戸村 泰宏
no journal, ,
ジャイロ運動論的full-fオイラーコードGT5Dを用いたイオン温度勾配駆動捕捉電子モード乱流の数値実験において電子変調加熱による過渡的プラズマ応答を調べた。電子サイクロトロン波共鳴加熱のような粒子源と運動量源を含まない電子加熱であっても、電子温度勾配と温度比の変化によって、主要な乱流がイオン系から電子系に変化し、その乱流輸送によって密度分布とプラズマ回転分布が応答することがわかった。